三種大祓(さんじゅのおおはらい)は、神道の祓詞(はらえことば)の一つで、特に「とほかみゑみため」という言葉で知られています。この祓詞は、天津祓(あまつはらい)、国津祓(くにつはらい)、蒼生祓(そうせいはらい)の三つの祓詞から構成されています。それぞれが異なる対象の穢れや罪を祓うために使われます。
1. 天津祓(あまつはらい)
対象: 天の神々や高天原に関連する穢れや罪
目的: 天の神々に対して穢れや罪を祓い清めることを願う
祓詞: 「高天原に神留坐す…」
天津祓は、特に「高天原に神留坐す」という言葉で始まり、天の神々に対して穢れや罪を祓い清めることを願う祓詞です。伊邪那岐命(いざなぎのみこと)が黄泉の国から帰還した際に行った禊(みそぎ)の儀式が起源とされています。
2. 国津祓(くにつはらい)
対象: 地上の神々や国土に関連する穢れや罪
目的: 八方の諸神に対してお祈りし、外部からの穢れの侵入を防ぐ
祓詞: 「掛けまくも畏き伊邪那岐大神…」
国津祓は、八方の諸神に対してお祈りし、外部からの穢れの侵入を防ぐための祓詞です。特に「寒言神尊利根陀見(かんごんしんそん りこんだけん)」という言葉が使われ、八方の神々に対して穢れを祓うことを願います。
3. 蒼生祓(そうせいはらい)
対象: 普通の人々の穢れや罪
目的: 一般の人々の穢れや罪を祓い清める
祓詞: 「波羅伊玉伊喜余目出給(はらひたまひきよめたまへ)」
蒼生祓は、普通の人々の穢れや罪を祓い清めるための祓詞です。「波羅伊玉伊喜余目出給」という言葉が使われ、一般の人々の穢れを祓うことを願います。
まとめ
三種大祓は、平安時代から文献に見られ、特に亀卜(きぼく)という占いに使われたこともあります。また、江戸時代中期には呪文のように一般大衆に広まった例もあります。現代でも、神道の儀式や祓いの際に使われることが多く、神社でのお祓いや自宅での祈りの際に唱えられることが一般的です。
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